Le Fantasque

書きかけメモ帳

映画「ゴースト・ストーリーズ」

ゴースト・ストーリーていうか、ユア・ストーリー

ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談(字幕版)

ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談(字幕版)

  • 発売日: 2018/12/21
  • メディア: Prime Video

落ちは割と面白かったんだが……。割とね。途中に出てくるあの風景が最後になって「そう言うことか」って納得いったりね。
だがまあ、ネタバレ隠して「これ最後の落ちがすごいから最後まで見て」とかいって見せる分にはどうかというような代物。なんていうか、途中がホンとつまんないっていうか……。途中のキャメロン博士の「未解決似非心霊事件」の中身がさぁ……映像は良いんだけどね。クリス・プリーストリーといい、こういう尻切れトンボホラーって英国じゃメジャーなの?

ストーリー

主人公は英国の似非心霊術師を暴く番組を作っている男、教授(何の教授かは不明)
テレビで有名な降霊術師のトリックを暴いたあと、暫くして自分の今の職をめざす元凶となったキャメロン博士から手紙が届く。博士は三週間前から行方不明になっていた。指定された場所に行ってみるとそこにはキャメロン博士がおり、解決できなかった3つの心霊事件を解決して見せろと言う。この世には科学で解明できないことがある、と。

case1

元精神病棟だった廃墟の夜警をしていた警備員の話。
警備中に停電などのアクシデントが起こり見回り中にも、謎の少女の怪異に遭遇する。少女の怪異を追っていってとある場所に閉じ込められ、少女が声を発したところで語りは終わる。
後日、警備員の知り合いの神父に話を聞く教授。警備員は閉じこめ症候群に陥った娘を病院にいれたまま放置していたが、その事件以降病院に通うようになったそうな。そして彼女が喋れるようになり、その声を聞いたとき、心臓が止まりそうになったそうな。

オチが付いてるのは良いんだけど、アンビリーバボーに良くある系の話にも思えるし軽いなぁと。そもそもこの警備員から話し聞くのにやたら金払ってるけど、あの話が金になるってことで作った話って可能性高くなるよね。

case2

願書を送るのを忘れて大学受験に失敗した高卒の男の話。
夜道を車で走ってる途中両親からの電話がかかってくる。願書と免許の件を問いつめられた男は目の前に現れた人影に気づかずに轢いてしまう。遺体を見てみるとなにやらチュパカブラじみた何かのようだ。混乱した少年は遺体放置して逃げるが、ガス欠で林の中で停車してしまう。
JAFみたいなサービスで助けを呼んだあと暫くすると先ほど轢いた何かがやってきて車の中にまで侵入してくる。驚いた少年は車からでて林に逃げるがそこで何かに襲われて叫び声を上げたところで話は終わる。
教授は現場に行ってみるがそこには倒れた木が。単なる幻覚のたぐいと結論付ける。車に戻ると青白い顔をした自分が車に乗っているのが見えたが、ドアを開けるとそれは消えた。

え?オチは?そっからどうやって逃げ帰ってきたの?わー!で驚いて終わり?世にも奇妙な物語以下の心霊特番か?レベルひっくいなぁ……

そもそも無免許で運転したあげくに運転中に電話取ってたって言うのが救いようのないアホ過ぎて。車止めて電話してりゃ轢くこともなかったろうにね。
途中轢いたUMAの正体も謎だし、なんか来てるってわかってんならすぐに後ろのドアロックしろやっていいたくなる。日本のホラー映画に登場する奴より対応力低いぞこいつ。馬鹿なの?

case3

とある実業家が妻の妊娠中に体験した不可思議な現象の話。
妊娠中の妻の様態が悪化して病院に送り届けた男。家に戻り、子供部屋へ行くと謎の人形が柵の中にいたり、おむつが勝手にはじけたりという不可思議な現象に遭遇する。
そして病院から電話がかかってくる。
夜、おかしな気配を感じて子供部屋へ行く実業家。黄色い女の化け物が実業家に襲いかかり咆哮を上げたところで話は終わる。
妻は出産で死んだという実業家。
そして話し終わった実業家は持っていた猟銃で自殺をした。

そもそも妻が妊娠して、病院行ってたってもう生まれる直前ってことやん?そういうとき付いてなくて良いのか?仕事があったにしても、家帰った後子供部屋彷徨いてるだけで仕事してる風でもなかったし。イギリスでは妻の出産に立ち会ったりする風習はないのかな?
そもそも最後に現れた女の化け物はなんやねん?実業家の呪いの元凶か?
実は妻の出産中に浮気してたことのメタファー?

キャメロン博士

3つの事件を調査したあとキャメロン博士のもとへ行く教授。
この三つの事件は出鱈目だと悪態を付くが、キャメロン博士は受け入れない。そして、自分の面の皮を剥いでゆく。その下から現れたのは先ほど死んだ実業家だった。
実業家はバンのカーテンへ指を挿し、まるで描いてある紙の様に破ってゆく。その下から現れたのは煉瓦塀。
嫌がる教授の手を引きその扉の中に入る実業家。
そこには彼が学生時代に遭遇した嫌な思い出が再現されていた。虐めをスルーしたことによって知恵遅れのユダヤ人が喘息で死んでしまったのだ。
そしてそのことを問い詰める実業家。あれは喘息だと知らなかったんだと言い訳する教授。
お前はそうやって人生の大事なことから目を逸らし続けていると追求する実業家。今まで目を逸らし続けていた事に向き合うべきだと。
そして線路の上のベビー柵の中から、死んだ赤子を受け取り去ってゆく実業家。
そして誰もいなくなったと思ったところに、時たま現れていたフードの男=イジメでトンネルの中で死んだユダヤ人が現れ襲いかかる。
そして教授の手を引いてトンネルの中へ。実業家と同じ様にトンネルの奥の壁を紙のように破りとるユダヤ人。
奥の壁を破いて現れたのは縦置きされたベッドだった。
泣き叫んで拒否する教授だが抗い難い力でベッドに横たえられ、更に指を口につっこまれる。
そして、現実へ。





ていうか落ち考えたら、三津田信三の「作者不詳」ぽい気もしてきた。