Le Fantasque

書きかけメモ帳

映画「ドラキュラ」その1

ドラキュラ映画の教科書的作品

まあ、なんていうか最初に見たときは大分素晴らしい作品だと思ってましたね。何分、今まで見た中じゃ一番原作に近いし。

まあ、嗜好の変化という奴なんですかね。昔は、ドラキュラの原作に非常に寄せた設定、描写。おまけにそこに元ネタのヴラド公のエピソードを追加して、愛する妻との死別が原因で吸血鬼になったという設定だけでもう完全に面白い。と思えてたんだけど。
最近はその手の設定にそこまでこだわらなくなってきたのか、設定的なとこよりも、映像的な面での評価しかしなくなってきた。
映像的にはこう、影を使った設定が「吸血鬼ノスフェラトゥ」を思い起こさせるけど、まぁ、やっぱり全体的に思ったよりも映像が古いなって感じがする。HDリマスター版辺りで見たら印象違うんだろうか?
ストーリー的にも、原作に近いっていう覚え方してたんで、「こんなにラブロマンス中心のストーリーだったっけ……?」という感じ。ていうかNTRやんけ~!
ストーリーがミナを中心に展開するようになると、前世の夫と現世の夫の板挟みになってどっちを選んだらいいの?っていう……なんやこれ……女性向けファンタジー小説か?みたいな感想が先に出てしまう。
というか、割と初めからそうか。ストーリー的には原作割と忠実ではあるけど、些末に関してはあっさり気味な気すらするし。
いや~でもこれ本当に原作に一番近いんですよね。マジで。
おかしい位原作のエピソード端折りまくり、設定無視しまくりな映像作品多かったから。
なんなんすか?ロンドンで倒されたり、胸に杭刺されて死んだり、日の光浴びて灰になったり、日光浴びて燃え上がったり。レンフィールドが不動産屋だったり。
カーファックスで倒すなら建物ごと爆破したらよくない?
まぁ、そもそも流水の上を渡れないって設定のわりに海は渡れるのか?みたいなよくわからない部分も多いけど。
もう最近は「ドラキュラ」の原作の記憶が薄れつつあるのか、「ドラキュラ」に対する情熱が薄れたのか、もうそんなの一般常識でもう今更語るもんでもないでしょって気分になったのか、そんなこだわらなくなってきたな。
それでも、「デメテル号最期の航海」のあのドラキュラの描写はねーな。
ていうか、この作品出た後も、相変わらず「吸血鬼ノスフェラトゥ」とか「魔人ドラキュラ」設定引き継いだドラキュラ作品大量に出てるのがマジで謎なんだが……

ドラキュラ映像化する奴はまず先にこれ見てから作って?