Le Fantasque

書きかけメモ帳

映画「来る」

仄暗い水の底から」と「帝都物語」混ぜたような感じ

来る Blu-ray豪華版

来る Blu-ray豪華版


いやなんていうか、途中まではなんか面白かったんだけど……
結局ぼぎわんの正体とかは何だったの?みたいなのはあるな。
確かにあの手の子殺しの伝承というか習慣は特定の地方じゃなくて全国になんぼでもあるからなぁ。それが怪異の正体だとすると、どこどこの地域の何が原因とか言うのはあまり関係がなくなる。
だってどこにだって起きることになるから。まあ、「残穢」の怪異の原因と同じですわな。「そんなん言ってたらそこら中怪異だらけになってしまう」という。だからいくらでも名前があるという。

なんか途中までは確かに「日本最高のホラー映画や!」みたいに感じてたんだが、お祓い始めたあたりでなんか萎えてしまった。原因は謎です。

ストーリー

「ち……が……ちが…つり…」
夏の日、森の中で女の子が一緒に遊んでいた男の子に語りかける。自分はもうすぐ連れて行かれる。お山に呼ばれてしまったから。
「あんたもそのうち呼ばれるで。
あんた、嘘つきやから」。
現在、大人になった男は夜部屋の中でなにかに怯えるように荒い息をしている。廊下からリビングへは水の入った器。そこへ電話がかかってきて、慌てた男は電話を取り落とす。相手の女は冷静に「準備はできましたか?」と聞いてくる。男・田原秀樹が最後の鏡を割り終え、準備ができたと言うと女は、
「ではドアを開けてください。迎え入れましょう、あれを」と言う
「でも……あの……来ちゃったら……そしたら……」
「大丈夫。そこから先は私の仕事です」
謎めいた映像とロック音楽じみたOPが始まる。

話は秀樹と香奈が結婚する前へ戻る。
秀樹は婚約者の香奈を連れて、秀樹の祖父の法事のため実家へ。
そこの酒の席で、「悪さをすると”ぼぎわん”に連れて行かれるぞ」と子どもたちをたしなめているのを聞く。他にも「がんこ」「がこぜ」という名で呼ばれていたらしい。
法事が終わり、いつの間にか眠っていた秀樹は「ちが…つり…」という声で目を覚ます。しかし、見渡すと誰もおらずに、そばには過去の少年漫画雑誌(幽遊白書の載っていた頃の少年ジャンプ)。
その子供の頃の記憶の中では、玄関に現れた何者かが「ヒデキさん」「ち…が…つ…り…」とつぶやいていた。
木村カエラの「Butterfly」が流れ、二人の結婚式のシーンへ。あまりに仰々しくテンプレ通りで白々しい結婚式。それを裏付けるかのような招待客の中から秀樹の悪評が流れる。かつて秀樹と付き合っていた女達には香奈の母親のこさえていた借金を帳消しにするため秀樹が金を貸したことなどが囁かれる。
酔いつぶれた秀樹はまた過去の少女の夢を見る「あんたも呼ばれるで…だって…あんた…」
しばらくして子供が出来たことを知らされた秀樹は喜びイクメンパパのブログを付け始める。
会社でも「トゥットゥルー」と言いながら育児雑誌を取り出したり、両親学級に通ったりと余念がない。
そして新居でホームパーティーを開く。マンションの購入資金の頭金がいくらかを知っている同僚の美咲の発言に場が凍りつくが、色々相談していたからだと秀樹はその場を取り繕い、後輩の高梨にも調子を合わせさせる。
その間も風でワイングラスが倒れる、コルクボードに貼ってある異様な数のお守り(秀樹の実家から送ってきたもの)、そして玄関で引きちぎられているお守り等、不穏な要素が出てくるが、ブログには「最高の仲間と最高の家」と言う記事を書いて、幸せ絶頂状態の秀樹。まさに恐怖に叩き落される準備は万端と言った有様。

そして、仕事中職場で自分のブログを見ていた秀樹のところに「チサさんのことで」と客が訪ねてくる。アポの約束はないはずだが?それになぜチサ?と不思議に思いながら、玄関へ降りてゆくが案の定誰も居ない。そこへ伝言した高梨が現れたので、訪ねてきたのはどんな人だったか聞いてみるが、「女の人」という以外はどういうわけか記憶が抜け落ちている。秀樹に肩を叩かれた高梨が急に痛みを訴え出し、背中から血を流し倒れる。一旦は何事もなく復帰した高梨だったが、結局入院することになる。

秀樹には子供が生まれ知沙と名付けられる。

2年後、知沙は2歳になり相変わらずブログも好調だが、台所の食器は散らかり片付けられていない。その上妻は部屋に閉じこもっている。
ある時知沙から「来た」と言われる。
そして数日後、部屋に帰ると玄関から廊下に引きちぎられたお守りが散乱していた。慌てて部屋の中に入ると中は荒らされ香奈が娘とともに泣いていた。「来たのか?」と聞く秀樹。電話がなり、「ヒデキさん?」と問いかけられる。
耐えられなくなった秀樹は民俗学者の津田大吾に助けを求める。そして紹介されたのが彼の知り合いのライター野崎とその知人のキャバ嬢真琴だった。
霊能力は本物だと断言する野崎に従って真琴のアドバイスを受ける秀樹だが「奥さんと子供に優しくしろ、そうすればあれはこなくなる」と言われて激怒。家に戻る。
家に帰ると真琴と野崎が家に来ていて、知沙の面倒を見ていた。そしてその最中にあれが現れポルターガイスト現象が起きて部屋の中はめちゃくちゃになり真琴の力でなんとか追い返すが、直後に真琴の姉から電話がかかってくる。
真琴の姉からとある霊媒師おばさんを紹介されるが、あまりの怪しさに難色を示す田原。「じゃあ辞めます?」と言われて結局、中華屋でその怪しげな霊能力者と会う。
相談中に「来ます」と言う霊能力者。「え、ここに?」
「喋らなければ大丈夫」と言われてイヤホンで電話に出る田原。最初知沙の声に安心して声を出そうとする田原だが止められる。そのままにしていると声は、香奈、死んだ祖母と切り替わっていく。そして、今度は田原の声で「一人産んだぐらいで……」と今まで聞いたことのない台詞が飛び出してくる。
「あんなひどい母親に」という声に反応してつい「そんなこと言ってない!」声を出してしまう。「喋らないで!」と霊能力者おばさんは叫ぶが、時既に遅く、右腕を噛みちぎられてしまう。「ご家族が…」というつぶやきに家族が危ないと判断した野崎に促されて、田原は中華屋を飛び出し家に電話をかけ家から出るように言う。
田原秀樹もタクシーで家に向かっている途中、非通知から電話が入る。「真琴の姉です」「会えばご家族も危ない目に。"あれ"はあなたを追いかけているから」「このまま家に帰ってください」「私が対処します」と言われ、自分一人でマンションに戻る。
そして電話の指示で、水を張った皿や丼を廊下に置き、刃物はすべて布に包んで仕舞い、鏡を全て割る。
そして冒頭とほぼ同じだが玄関は開けてある。
「全て終わりました、あなたの言ったとおりに」
「ご苦労さまです。アレを迎え入れます。これから先は私の仕事です」
子供の頃の体験を話している最中、家の電話が鳴る。「真琴の姉」は「"あれ"です」といい、出るなと言う。しかし、香奈かもしれないと取ろうとする秀樹の耳に聞こえてきた家の電話の声は、「田原さん聞こえていますか?取らなくていいので聞いてください。真琴の姉です。」。
家の電話の真琴の姉の声は、今すぐそこをでろ。今までのはあなたを騙すための「あれ」の罠だという。もし出るのが難しいなら、鏡かナイフを持っていろという。あの手のものは何より刃物と鏡を嫌うから。「聞こえていますね、田原さん。今すぐ動いてください」
携帯電話から聞こえる真琴の姉の声は、「答えないでください」家電話の声こそ「あれ」だという。
「動かないで」
「今すぐ動いてください」
どちらに従うか迷っているうちに、携帯電話側の声にノイズが入り、家電話の声が途切れる。
「呼ばれてしもたら、逃げられへん。絶対に」
そして玄関にあれが来る。


日本のホラーにしては十分面白い気がしますね。
仄暗い水の底から」と「帝都物語」混ぜたような感じで。
心理方面の嫌な何か?が怪異の原因だったりするし。それを表す怪異自体も割とまともな作りしてますね。
なんていうか、特撮系の特殊効果をホラー映画で付加すると途端に絵面が安っぽくなりがちですけど、これは結構いい。

テーマとしては「親の犠牲になる子供」だろうか。
生まれてくるはずだったのに生まれなかった子供。
親の虚栄心を満たすためだけに利用される子供。
親に殺される子供。
親に人生を狂わされた子供。

そんな子どもたちの怨念が"ぼぎわん"なのではないだろうか。という感じで、原作にあったような特定地域の風習と言うより日本全国を対象としているのでなんとも規模がでかい。日本全土の霊能力者を集めて祓おうとするのもある意味当然と言えるかもしれない。