Le Fantasque

書きかけメモ帳

ドラマ「SHERLOCK」シーズン2#6

畔柳博士じゃん

SHERLOCK/シャーロック シーズン2 [Blu-ray]

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今頃見たのは当然、昔っからシャーロック・ホームズの話を読んでいた自分にとっては、到底あのドラマのシャーロック・ホームズが受け入れられるものではなかったからだが。
英米合作の映画「シャーロック・ホームズ」と続編の「シャドウゲーム」(アイアンマンの人がホームズ役)は全然OKなんだが、あのテレビドラマのキチガイじみたシャーロック・ホームズはとても受け入れられるものではなかった。やっぱ性格が珍奇すぎるというか、アスペ感が凄いからな。「イミテーション・ゲーム」じゃあるまいし。
まあ、あの時代だからおかしいのかと思っていたけど、実際あれを現代に置き換えたらああなるのか?
という点とか、製作者がシャーロキアンだとか、オーディオコメンタリーでべらべらと自分のシャーロキアンとしての知識を語ってるとかそういうのはどうでもいい。とにかく自分には合わない。それにまぁ、なんだ。わざわざ見る必要あるか?我慢してまで?主にホモ好きのごふじん方に人気の海外ドラマを我慢してまで見る意味はない。
だもんで見てなかったんだが、「アレはシャーロック・ホームズではない」「ただのトレンディドラマの探偵役」「おまけに何が面白いのかわからんドラマを量産しているイギリス製」と考えれば普通にドラマとしては面白いことに気づいた。シャーロック・ホームズの名前使わなくても多分これ有名になれるよな。シャーロック・ホームズって名前使ってほしくなかったわ。そしたらもっと早く見れてたのに。もう「ピンク色の研究」の時点で見るきなくしてたし。なんでシャーロック・ホームズの名前使ったんだよ糞が。


でもう一つ糞だなと思ったのが小林泰三の「みんなの怪盗ルパン」に載ってる短編なんだが。「最後の角逐」。
その中でシャーロック・ホームズが登場するわけね。で、ルパンがメインの話なので、ルパンVSシャーロック・ホームズという塩梅になる。で、この中でルパンがホームズに語っているのが、「モリアーティ教授は、シャーロック・ホームズによって作られた架空の人物」という説。要するに「蜘蛛男」の畔柳博士と同じ塩梅。それまで快刀乱麻を断つように難事件を解決していた畔柳博士だが、難事件に挑んでいる最中、唐突になんの脈絡もなく現れた明智小五郎に、これまでの事件は実は全て畔柳博士が仕組んだもので、それを自分で解決して警視庁の刑事から信頼を得ていたのだとぶちまける。実際、一体どんだけ事件解決してたら警視庁の刑事たちとそんな懇意になれるんだよと読んだ当時は展開の唐突さに戸惑ったもんだが。まあそういう内容なのね。で先程の小林泰三の短編は同じようにルパン側が明智でホームズ側が畔柳博士というなんとも思い切った構図で普通に考えたらファンに怒られそうなのに随分思い切ったことやったなと感心したもんだが。
なんのことはない。この話の元ネタはあった。それもBBCのドラマ。そう、この回。
シャーロック・ホームズがモリアーティの罠にはめられて、「モリアーティなる人物は、ホームズが自分の頭の良さを世間に知らしめるためにでっち上げた人物で実際には存在しない」と世間に思わせられてしまう。という話。
正直、「最後の角逐」最初に読んだときの感動返してって言いたい。実際それをルパンと組み合わせたのはこの作者のアイデアだし、それを小説に取り込んだのは作者の業績だし、その小説を書くのもタダではないとかそういうのはどうでもいい。気分としてな。

で、ドラマとしての出来だけど凄いなとしか言いようがない。シーズン1の1話2話はつまらんかったけど、モリアーティ絡みになってくると途端に面白くなる。流行るわけだ。だからなんでシャーロック・ホームズにしたんだこのドラマの製作者は。ふざけんな。それなけりゃもっと早く見れてたのに。とんだ大恥書いてしまった。本当にこれ「刑事フォイル」とか「刑事モース」とか「刑事ルーサー」作ったイギリスのドラマか?出来が良すぎるというか、アメリカ式の面白さだし、おまけにアメリカ式のクリフハンガーやってるとこはクソムカつく。