Le Fantasque

書きかけメモ帳

映画「残穢」

まるで角川ホラー文庫を読んでいるような感じの映画

タイトル的にかなり微妙な感じしてましたけど結構当たりでしたね。
読者からの体験談をもとに実話怪談を雑誌に連載している小説家が主人公で、今回は「畳部屋から何かを擦るような音がする」という読者からの投稿から、その詳細を投稿者に聞きに行ったりいろいろ調査をするという話。
面白いのが怪談に対するスタンス。
本当にあったのか?とかそういうことは割とどうでもいい感じなんですよね。

話を聞いて「怪談の文法」により元ネタを推定したり、あくまでお話として捉えてるけど、それを感じた人に対しては特にムキになって否定はしない
よくあるような科学万能の時代*1に幽霊なんて云々みたいな、本物来るの分かってあえて言うようなセリフもない。
でも大抵の怪談好きのスタンスってこんな感じですよね。
本物だ本物だと騒ぎ立てるのもしらけるし
逆に偽物だと頑なに否定するのも逆張りやってるみたいでイラつく。
本当かどうかとかそこら辺は曖昧なままにして、とりあえず原因とか推測する系

なんかすごいのがこの「雰囲気」。角川ホラー文庫に限らずホラー小説のあの雰囲気を見事に映像にしている。
まなんかよく言えないですけど。バカバカしさがない…というのかな…妙に説得力あるみたいな…でも明らかに嘘だなって分かるような…そんな感じ

*1:これも相当古いいまわしよな……